興味深い絵画を見つけました。
Title: An Allegory of the Old and New Testaments
作者はルネサンス期のドイツの画家
Hans Holbein (ハンスホルバイン 1497-)です。
Allegory=寓話、寓意、比喩
の意味ですが、まさに旧約聖書(左)と新約聖書(右)が舞台となっているこの絵画。
直訳すれば、旧約聖書と新約聖書の寓話。
これは新約聖書の「勝利」を表現した絵画とされているそうです。
中央の木を見ると「旧約側」は枯れていて、
「新約側」は生い茂っています。
中央の男性の目線も、旧約の預言者イザヤではなく新約の洗礼者ヨハネを。
右下ではキリストも墓から蘇っているのに対し、
旧約時代のモーセの墓は閉じたままです。(すごい極端…)
左上の十戒と思われる石版も燃えている…。
ルネサンスは、芸術が最も栄えた世紀。
初めは迫害に遭い微弱だったイエス様の歴史も、
時代が進むと、このようにはっきりと時代の転換が人々に認識され、
普遍的な絵画として歴史に刻まれていくのだなと、感慨深くなりました。
すでに栄光を受けたものも、はるかにまさった栄光の前に、その栄光を失ったのである。
もし消え去るべきものが栄光をもって現れたのなら、まして永存すべきものは、もっと栄光のあるべきものである。コリント人への第二の手紙3:10-11
当時、栄光を受けたものは、新約聖書の時代。
けれども今は、新約聖書の時代と新しい時代の転換期と言われています。
もしそうならば、次世代のハンスホルバインの絵画がどのようになるのかは、歴史と新しい時代の証人たちが、証していくのだと思います。