日本とブラジルは、「友好国」と言われるように、物理的には遠いけれども、とても近い関係があります。
サッカー一つをとっても、日本をサッカー新興国からJリーグを発展させ、W杯常連国に押し上げた背景には、ブラジルから太平洋を越えてやってきた人たち-日系ブラジル人が果たした役割があってのことでした。
例えば、これまでJ1クラブに在籍した外国籍選手約800人の半数は、ブラジル籍(!)です。
日系3世の田中マルクス選手など、日本国籍を取得してW杯で日の丸をつけてプレーした選手も有名ですよね。
また、65年に日本リーグが開始した際、ロングボールを蹴り合うスタイルが主流だった日本に、ショートパスをつなぐサッカーを持ち込んだのも、日系のブラジル人選手。
日系ブラジル人がもたらしてくれた技術や考えによって、日本のパスサッカーの下地がつくられたという話は有名です。
彼らのルーツは、ブラジル移民であった日本人です。
さて、このようにサッカーを通して盛んに行なわれている両国の交流ですが、実は摂理でも、同様のことが起こっています。
現在、ブラジルでの宣教の中心は、日本人。
まだブラジル人の摂理メンバーは一桁の現状ですが、0だった状況から、ここ数年で日本人によって福音が入り、着実にその芽は育っています(しかも将来の国を担う超エリートの命たちが・・・!)。
文化も言語も全く異なる中で、宣教が何とか進むのは、日本人であることが(信頼を得る上で)とても大きいと聞きました。
中国人でもなく、韓国人でもなく、他のアジア諸国でもなく、ブラジル人は、日本にとても親近感を持ってくれるのだそうです。
それは約100年前、ブラジル移民が、最初に日本から出港し、以来、約25万人が太平洋を越えて、ブラジル社会での地位を築いたことが大きいのでしょう。
現在は、サンパウロを中心に、海外では最多の160万人の日系社会が形成されています。
このように見ると、W杯フランス大会初出場から急成長を遂げ「サムライジャパン」(+最近は「なでしこジャパン」!)として、世界に存在感を放つ日本サッカーの基盤は、ブラジルの存在なしに語れないように、ブラジル摂理の基盤を語る上でも、日本の存在なしに語れないという、なかなかおもしろい構図が浮かび上がります。
神様はこの世も霊の世界も、すべて連れ合いを持って創造し、互いに相互存在するようになさった。だから天下にその連れ合いのない存在物はない。増えさせるためであり、また相手と授受作用をしながら一体になって存在するようにするためだ。(2011年10月14日 摂理・鄭明析牧師の御言葉)
「連れ合い」というと「男女」を思い浮かびがちですが、国と国にも、言えることなのかなと。
「遠くて近い国」と言われる、政治的にも歴史的にも密接な関係があるこの両国が、これからどのように支えあってゆくことが御心なのか、今行われているW杯を機に、もっと考えてゆきたいと思います。
Sol
写真:BemVindo!ブラジル街より