2015年12月2日の毎日新聞(朝刊)に連載されている「水説:パリだけを祈るのか」に思わず目を惹かれました。
パリのテロ事件を受けて発信されたインド・ニューデリー在住のカルーナ・エザーラ・パリークさん(写真・本人Facebookより)の詩です。
It's time to pray for humanity. It's time to pray for the world. It's time to make all places beloved. pic.twitter.com/ZjAHPLGZ6T
— Karuna Ezara Parikh (@karunaparikh) November 14, 2015
【 訳 文 】(出典:ログル)
パリのみではなく この世界に祈りを
ベイルートはパリの2日前に爆破テロに見舞われたのに それでもあまり報じられないこの世界に祈りを
葬式の席で爆弾テロに見舞われたのに あの炎の犠牲者に白人が一人もいないというだけで 誰のSNSにも”バクダッド”の文字が現れないこの世界に祈りを
テロの責任を難民たちの危機に押し付け テロ犯とそのテロから逃げ延びようとしている 私たちとまったく同じ境遇にある人間を 立ち止まって 区別しようとしない この世界に祈りを
身一つで 国から国へと 何か月もの間 渡り歩き続ける人びとに 与える場所はないと告げる この世界に祈りを
パリのために祈りたいならば 祈りなさい でも 祈りを捧げられることのない もはや守るべき家すら持たない 世界の他の人びとにも 多くの祈りを
馴染みの高層ビルやカフェなどだけでなく あらゆる面で 日常の何かが 崩れ去ろうとしている この世界に祈りを
カルーナ・エザーラ・パリーク
インターネットで発信され、The TelegraphやThe World Postなど、各種欧米紙にもとりあげられました。
パリだけではなく、世界のために。離れた地にいるからこそ、一歩引いて、冷静に「世界」という視点で現状を見る必要性を気づかせてくれる詩です。
今回の事件は9.11と同じ状況であるという見方もあるようですが、同様に「対テロ戦争」とならないことを祈ります。軍事力でテロを根絶できないことは、9.11以後の現在の状況が証明済みですから。
自分のために、兄弟のために、家庭のために、民族のために、世界のために、祈りなさい。また、悪人たちとサタンたちのことを祈りなさい。祈りは様々に一つ一つ、数十、数百のことを祈るのだ。人でも大軍でも戦争の武器ででもできないことを「祈り」でするようになる。(2012年1月19日 摂理の御言葉)
「テロをなくすには?」という問いの答えは、究極的には「1人1人の意識と行ないの変化」であることは明らかですが、遠く離れた地への想像力をめぐらせ、深く考える過程の中から、何を自分が実践するかは自ずと見えてくるのだと思います。そこからしか、平和は成されません。
パリークさんは、事件翌週、ニューデリーで開かれた国際的な女性会議でこの詩を朗読したようです。(記事には書かれてませんが彼女はモデルです)こういう発言をする女性が日本でももっと増えると良いですね。
日本にいるからこそ出来ること、培える視点、もっと大事にしてゆきたいです。